みなさんが初めてノートテイクと聞いて、まず思い浮かぶのは、 「ノートをとる」ということだと思います。
たとえば普段の授業で自分の「ノートをとる」あるいは、休んだ友達のために「ノートをとる」。
しかしこの場合の「ノートをとる」ことは「ノートテイク」とは違います。
では、ノートテイクとはなんでしょうか。
大学のほとんどの講義では、先生は話すことで情報を伝えます。けれども聴覚障害学生には、この情報は伝わりません。いま、その場にいて、講義を受けているにもかかわらずです。
そこで、ノートテイクが必要になります。ノートテイクとは、話し手が伝えたいことを、今、書いて伝えることです。先生と学生とのコミュニケーションを仲介します。今ある情報を文字化して、聴覚障害学生に伝えます。それは話し言葉から書き言葉への通訳ともいえます。そのため、筆記通訳あるいは要約筆記とも呼ばれます。
書いて伝える方法には、手書きとPCとがあり、授業の形態(講義・屋外・語学など)に応じて支援方法を変えています。
千葉大学ノートテイク会では、このノートテイクを実際の授業内で行い、聴覚障害学生への情報保障をおこなっています。
長時間、1人でノートテイクをするのは辛いため、ノートテイクは2人で行います。
私たちは、ノートテイクで支援をする人のことをNTer(ノートテイカー)と呼んでいます。
2人は、ノートテイクを利用する学生の両隣に座ります。そして、ノートテイクを実際にする役とその補助の役を2人で交替していきます。
ここで補助の仕事には、例えば次があります。
「IPTalk」(アイピー・トーク)というソフトを使って3人1組で交互に文字入力を行って文章を表示させていきます。
手書きの場合と異なり、3人が同時に情報を文字化していくので情報量が格段に増えるという利点があります。
相手の入力した文字を確認しながらタイピングをしていきます。
各ノートテイカーは、自分の空きコマを使って週に2回程、このようなノートテイクをしています。 また、技術向上のために練習会も開き、自分たちで練習を重ねています。