NTNTNT!!! 基本編 第4回 聴覚障害
十人十色
聴覚障がいのある人、といってもいろんな方がいます。
真面目だったり、おちゃらけていたり、慎重だったり、おっちょこちょいだったり、のんきだったり、背が高かっかり、低かったり。
当たり前のことかもしれませんが、十人十色、人それぞれです。
障がいの程度も人それぞれで、ほとんど聞こえない方、大きな物音は聞こえる方、手話を母語としている方から、手話が苦手な方もいらっしゃいます。
Q&A
- しゃべれる人は聞こえているの?
- 声で話していても、必ずしも聞こえているわけではありません。また、「発音がきれいな人ほど、よく聞こえている」わけではありません。もともと聞こえていた方が中途失聴になることもありますし、学校で発音練習を経験した方など、バックグラウンドも様々です。
- みんな手話を使えるの?
- 手話を使えない方もたくさんいらっしゃいます。口話をメインのコミュニケーション手段にしている方もいます。
- 全く聞こえないの?
- 聞こえ方は人によって様々です。聞こえる音が小さい場合もありますが、それ以外にも、特定の音域が聞き取りにくかったり、音が歪み雑音になる(周波数のずれたラジオのようなイメージ)など、人によって聞こえ方は様々です。
- 補聴器があれば聞こえるの?
- 補聴器が役に立たない方もいます。また、言葉を理解するためではなく「音の存在」を確認するために補聴器を使っている方もいます。
- 「ろう者」という言葉は使わない方がいいの?
- 「ろう者(聾者)」という言葉は日常的に使います。
コミュニケーション
主に次があります。個人個人でどの方法を主に使うか異なり、また、状況等によっても使い分けます。
- 手話
- 手・腕・顔などを使うコミュニケーション方法。音声言語に対して、視覚言語と呼ばれる。手話を使える場合は、もっともスムーズなコミュニケーション方法。
- 筆談
- 紙などに文字を書いて伝えるコミュニケーション方法。日本語を十分に扱える場合は、確実に伝えられる。ただし、細かいニュアンスを伝えるのは難しいこともある。
紙以外にも、携帯などに文字を打つことによってもコミュニケーションできる。
- 口話
- 口の形・補聴器を通して聞こえる音・話し手の表情・文脈等を総合して言葉を推測する「読話」と発声によるコミュニケーション方法。聴覚障害者への負担が大きく、また、読話で読み取れるのは3割程度といわれている。
上のどれにも当てはまりますが、全ての人が全ての方法をできるわけではありません。
手話は言語です。
日本語を母語とする人で英語が苦手な方がいるように、手話が母語の方は日本語が苦手な方もいます。
手話ができない人もいれば、筆談や口話ができない人もいます。*1
まずは、もっともよいコミュニケーションをお互いに確認するのも大切です。
*1 例えば、高校までろう学校に通っていない場合(インテグレーションといいます)、手話を学んでいないことがあります。また、日本手話を第一言語として使う人の場合、日本語が苦手な人もいます。
まとめ
- 聴覚障害者と一口にいうが、人それぞれ。
- 様々なコミュニケーション方法があり、状況等により使い分ける。
参考
- 白沢 麻弓・徳田 克己, 『聴覚障害学生サポートガイドブック』,日本医療企画