NTNTNT!!! 手書き編 第3回 わかりやすく

最終更新:
2009年05月10日

手書き編の第3回目では、話し手の伝えたいことをわかりやすく表現する方法を考えます。

接続表現をしっかり書く

接続表現はとても大切です。

接続表現を書くことで、文同士のつながりが明白になり、わかりやすい文章になります。

例文
バシリスクは、0.05秒で1歩を踏み出します。そのー、ものすごい速さで足が回転するんです。目にもとまらないどころじゃないです。そのため、水上を沈むことなく、ちゃちゃちゃちゃっと走ることができます。(30秒)
要約
バシリスクの足はすごい速さで回転。∴ 水上を走れる*1。(24文字)
*1 「∴」は「故に」という意味の記号です。

chopping

丸で文を区切ることなく、どんどん文を続けて話す人がいます。そのような話し手の場合は、どんどん文を区切ります。

例文
昨日のことなんですが、水鉄砲の絵を描きたくて、いろいろと検索してたんですけど、そうしたら、本当、いろいろな種類があって、私が想像してたのと大分違う形のものがたくさんあって、えーと、一番気に入ったのは、西部劇に出てくるような二丁拳銃タイプのものなんですが、時を忘れて思わず、見入ってしまいました。(30秒)

上は極端な例ですが、話し言葉では、このように1つの文が長くなることが多いです。「ですが」などを使って、いつまでも、つなげられるためです。

そこで、小さな文に区切るとすっきり書けます。

要約
水鉄砲を描きたくて検索。色々みつかる。西部劇に出てくるようなのとか。思わず見入った。(44文字)

このように長い文を小さな文に区切ることを、choppingと呼びます。

ところで、上の要約例では30秒で書けないかもしれないですね。西部劇の件を略すと次のようになります。

要約2
水鉄砲を描きたくて検索。色々みつかる。思わず見入った。(27文字)

箇条書き

複数の項目があるときは、箇条書きを用いるとわかりやすいです。

例文
ロボットの操縦方法を説明しますね。まず、電源を入れます。電源を入れたら早速、リモコンを使って歩かせてみましょう。リモコンのレバーを大きく倒す程、速く歩きますよ。あ、それと、電源がちゃんとに入ったかどうかは、目が黄色く光るかで確認できます。
要約
  • ロボットの操縦
    • 電源入れる→目が光る
    • リモコンで歩く
    • レバーを大きくたおす → 速くなる

箇条書きにすると、情報を後から書き足し易くもなります。上の例では、「目が光る」の部分です。

このように、箇条書きは情報をわかりやすく伝えることができます。しかし、通訳というよりは、ノートを普通に取っている感じになってしまいます。

授業に合わせて、情報を優先するのか、それとも雰囲気等を優先するのか、利用学生と相談すると良いです。

まとめ

参考

『通訳の技術』, 小松 達也, 研究社
choppingは、「第6章 再表現 4-4 長い文章の処理」を参考にしました。
『会議通訳』, ローデリック ジョーンズ, 松柏社

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