NTerは、音を文字にして伝える通訳者です。話し手と利用学生との間のコミュニケーションを仲介し、利用学生が授業に参加できるようになることを目指します。
授業に参加できるためには、次の3点が重要です。
誤った情報なら伝えない方が良いとさえいえます。
例えば、質問の時間終了後に、質問の時間であることを伝えても質問できず、授業に参加できません。
書いた文章のわかりやすさ、また、手書きの場合は、読みやすい文字を心がけます。
理想は、「話し手が話した音声を聞く」と「NTerが書いた文章を読む」とが同じになることです。
第一回にも書きましたが、NTの目的は「利用学生が授業に参加できるようにすること」です。
NTerは黒子に徹し、NTに集中します。
たとえば、授業でグループワークを行い、地元の紹介が課題とします。みんな楽しく自慢しあう中、突如、NTの休憩中で話を聞いていた自分に話が振られるかもしれません。
このようなとき私は、自分が通訳をしている旨を説明し、授業に参加しないようにしています。*1あくまでも利用学生が授業に参加できるようにするために来ているのであり、自分が授業に参加するために来ているのではないためです。
越権行為の他にもう一つ、気をつけることがあります。
守秘義務です。
NTerは授業に出ているため、そこで様々な情報を得ます。守秘義務とはNT中に得た情報を外で話さないことです。
たとえば、利用学生が授業中に発表を行なったとします。あなたは、その発表が良かったとか悪かったとか、何か感想を持つかもしれません。しかし、その感想を他の人に話すことは、利用学生にとってあまり快いものではないでしょう。
NT中に起きたことを話してしまったら、安心してNTを利用できなくなってしまいます。
NT中に得た情報は、むやみに話さないことが大切です。
この回の最後に、NTを続ける上で大切なことをお話しします。それは、無理をせず自分を大切にすることです。
NTは1回で終わるものではなく、毎週続きます。その負担は軽くはありません。特に、試験や発表、卒論等が近くなると負担はかなり大きいと思います。
NTをしすぎると、頸肩腕障害などの危険もあります。
このような理由から、千葉大学ノートテイク会では、NTをする回数を週に2コマ程度としています。*1
無理をし過ぎずに活動を継続することが大切です。
次の第3回では、聞くことについて考えていきます。