ノートテイクとは、音を文字に通訳することです。NTと略すことが多いです。
音を文字にするため、文字通訳とも呼ばれます。
文字にする方法には主に手書きとPCの二通りあります。千葉大学ノートテイク会ではそれぞれ、手書きNTとPCNTと呼んでいます。*1
ノートテイクは情報保障の一つです。
ここで、情報保障とは「その場にいる全ての人が、同質で同量の情報を得て、その場に参加できるようにするための活動」を指します。
例えば、大学の授業で考えてみます。授業中の主な情報の一つは先生の話です。先生の話は、聴覚障害学生*1には伝わりづらい、または、伝わりません。
これは明らかに不公平です。さらに話し手である先生にとっても、自分の話が伝わらないことは大問題です。
そこで、NTです。先生の話を文字にして伝えることで、聴覚障害学生が情報を得て、授業に参加できるようにします。*2
NTは基本的には2人で行います。*1主な理由は次の2つです。
2人のNTer*2は利用学生の両隣、もしくは、片側に座ります。
そして、メインとその補助を交代しながらNTを行っていきます。
話すスピードは、1分間に300字ぐらいです。一方の書くスピードは、1分間に60字程度です。*1
そのため、聞いたままを書くことはできません。また仮に書けたとしても、聞いたままを文章にすると、読みにくい文章となってしまいます。
話し言葉から書き言葉へと再表現し、要約する必要があります。
この回の最後に、NTの具体例をお見せします。
手書きの場合、千葉大学ノートテイク会では、右図のようにしています。紙の一番上に、日付、授業名、担当者、通し番号を書き、横棒を引きます。
文字を○で囲んだり、下線を引いたりと、さまざまな書き方をすることで、効率よくNTしていきます。詳しくは手書き編の第2回でお話しします。
PCの場合も同じように、ページの一番上に日付等を書きます。 千葉大学ノートテイク会ではIPTalkという専用のソフトをすべてのパソコンにインストールして、NTで使っています。
次の第2回では、NTerとして心に置いておいて欲しいことをお話しします。