NTNTNT!!! 基本編 第1回 はじめに

最終更新:
2019年03月25日

音を文字にする

ノートテイクとは、音を文字に通訳することです。NTと略すことが多いです。

音を文字にするため、文字通訳とも呼ばれます。

文字にする方法には主に手書きとPCの二通りあります。千葉大学ノートテイク会ではそれぞれ、手書きNTとPCNTと呼んでいます。*1

*1 ノートテイクという言葉を手書きNTのみの意味で使い、PCNTはノートテイクに含めないこともあります。また、手書きNTは要約筆記・筆記通訳、PCNTはキャプショニング・PC通訳・PC要約筆記などとも呼ばれます。

情報保障(保証じゃないよ)

ノートテイクは情報保障の一つです。

ここで、情報保障とは「その場にいる全ての人が、同質で同量の情報を得て、その場に参加できるようにするための活動」を指します。

教室はいろいろな音で溢れている

例えば、大学の授業で考えてみます。授業中の主な情報の一つは先生の話です。先生の話は、聴覚障害学生*1には伝わりづらい、または、伝わりません。

これは明らかに不公平です。さらに話し手である先生にとっても、自分の話が伝わらないことは大問題です。

そこで、NTです。先生の話を文字にして伝えることで、聴覚障害学生が情報を得て、授業に参加できるようにします。*2

*1 NTを利用するという意味で利用学生とも呼びます
*2 授業では先生の話以外にも、生徒の声や携帯の音などなど、様々な音があります。これらもNTによって伝えます。

NTは2人で

NTは基本的には2人で行います。*1主な理由は次の2つです。

  1. NTは重労働であり、長時間1人で行うのは辛い
  2. 情報を落とすことを最小限に防ぐ

2人のNTer*2は利用学生の両隣、もしくは、片側に座ります。

そして、メインとその補助を交代しながらNTを行っていきます。

*1 人手不足の場合は、1人で行うこともあります。手書きとPCでは、手書きの負担が高いことが多く、1人での手書きNTはできるだけ避けるべきです。
*2 NTをする人のことで、ノートテイカーと読みます。

要約が必要

話すスピードは、1分間に300字ぐらいです。一方の書くスピードは、1分間に60字程度です。*1

そのため、聞いたままを書くことはできません。また仮に書けたとしても、聞いたままを文章にすると、読みにくい文章となってしまいます。

話し言葉から書き言葉へと再表現し、要約する必要があります。

*1 PCの場合、1人で打つと100〜200字程度です。また、2人で連携して入力することもでき、この場合は300字程度打つことができます。

具体例

この回の最後に、NTの具体例をお見せします。

手書きの場合、千葉大学ノートテイク会では、右図のようにしています。紙の一番上に、日付、授業名、担当者、通し番号を書き、横棒を引きます。

文字を○で囲んだり、下線を引いたりと、さまざまな書き方をすることで、効率よくNTしていきます。詳しくは手書き編の第2回でお話しします。

PCの場合も同じように、ページの一番上に日付等を書きます。 千葉大学ノートテイク会ではIPTalkという専用のソフトをすべてのパソコンにインストールして、NTで使っています。

まとめ

参考

『大学ノートテイク支援ハンドブック』
日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク情報保障評価事業グループ, 人間社

次回

次の第2回では、NTerとして心に置いておいて欲しいことをお話しします。

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